
地震や大雨などの災害が発生したとき、スマートフォンは情報収集や家族との安否確認、避難経路の確認など、さまざまな場面で役立ちます。
こうした機能は、災害時に初めて使おうとするのではなく、普段から使い方を確認し、実際に使っておくことが大切です。いざというときにも、落ち着いて必要な情報を確認したり、適切な行動につなげたりしやすくなります。
一方で、災害時には通信障害や停電によって、スマートフォンが思うように使えなくなる可能性もあります。
今回は、災害時に役立つスマートフォンの機能と、通信や電源が確保できない場合に備えて、日頃から確認しておきたいポイントを紹介します。
1. 緊急速報・防災情報を受け取る
スマートフォンでは、緊急地震速報や津波警報、自治体からの避難情報などを受け取ることができます。災害の発生や危険が迫っていることをいち早く知り、避難などの行動につなげるために役立つ機能です。
いざというときに必要な情報を活用できるよう、普段から防災情報に触れる習慣をつけておきましょう。
<普段から活用するための工夫>
- 緊急速報の通知設定を有効にしておく
- 自治体の公式LINEがある場合は友だち登録し、防災情報や避難情報の通知設定を確認する
- 自治体の公式サイトなどを定期的にチェックし、避難場所や災害時の情報発信方法を把握しておく
ただし、緊急速報や防災情報は、端末や通信環境などの条件によって受信できない場合があります。また、通信障害などによって、必要な情報を取得できない可能性もあります。
通知を受け取ったら、内容を確認して速やかに行動するとともに、必要に応じて自治体などの公式情報も確認しましょう。

2. ハザードマップ・地図で避難先を確認する
地図アプリや自治体のハザードマップを使えば、自宅や職場周辺の災害リスク、避難場所、避難経路などを確認できます。災害が発生してから避難先を探すのではなく、普段から地図を活用し、自分の生活圏の危険箇所や避難場所を把握しておくことが大切です。
<普段から活用するための工夫>
- 自治体の公式サイトや公式アプリ、公式LINEで、ハザードマップの確認方法を調べておく
- 地図アプリで避難場所や避難経路を調べ、普段よく行く場所の周辺にある避難先も把握しておく
- Googleマップの「オフラインマップ」で、必要な地域の地図をダウンロードしておく
Googleマップでは、事前に地図をダウンロードしておくことで、インターネットに接続できない状況でも、保存した範囲の地図を利用できます。設定方法は、こちらの公式サイトで確認できます。
▼Googleマップのオフラインマップをダウンロードする方法
https://support.google.com/maps/answer/6291838?hl=ja&co=GENIE.Platform%3DAndroid&oco=1
なお、オフラインマップでは、車での経路案内に限られるなど、利用できる機能に制限があります。地図をダウンロードしたら、機内モードにして地図や経路がどのように表示されるか、実際に試しておくと安心です。通信できない状況でも慌てずに活用できるよう、普段から使い方を確認しておきましょう。
3. 災害時の安否確認サービスを利用する
大規模な災害が発生すると、電話がつながりにくくなることがあります。そのようなときに役立つのが、災害用伝言板や災害用伝言ダイヤル(171)、LINEなどを活用した安否確認です。
災害用伝言板「web171」では、インターネットを通じて安否情報を登録・確認できます。また、LINEには、大規模な災害が発生した際に、自分の安否を友だちに知らせたり、友だちの安否状況を確認したりできる「LINE安否確認」機能があります。
<普段から活用するための工夫>
- 家族や身近な人と、災害時に利用する安否確認サービスや連絡方法を決めておく
- 災害用伝言板や災害用伝言ダイヤル(171)、LINE安否確認の使い方を確認し、体験利用の機会を活用して操作に慣れておく
- LINEで家族との連絡グループを作っておくなど、普段から連絡を取りやすい環境を整えておく
- 電話やインターネットが使えない場合も想定し、集合場所や別の連絡方法を話し合っておく
いざというときに慌てず活用できるよう、普段から使い方を確認するとともに、複数の連絡手段を用意しておくことが大切です。

4. 緊急SOS・緊急通報機能を確認する
スマートフォンには、緊急時に警察や消防などへの通報を支援する機能が搭載されている機種があります。機種によっては、所定のボタン操作などで緊急SOSを起動し、緊急通報や緊急連絡先への通知を行えます。いざというときに活用できるよう、普段から自分の端末で利用できる機能や操作方法を確認しておきましょう。
<普段から確認しておきたいこと>
- 緊急SOSの起動方法
- 緊急連絡先の登録方法
- 位置情報の共有など、利用できる機能
なお、利用できる機能は機種によって異なります。通信環境などによって通報や通知ができない場合もあるため、事前に端末の設定や使い方を確認しておくことが大切です。
5. 省電力モードでバッテリーを長持ちさせる
災害によって停電が発生すると、スマートフォンを普段どおりに充電できなくなる可能性があります。必要な情報の確認や家族との連絡に備え、バッテリーを長持ちさせる方法と、充電手段を確保する方法を知っておきましょう。
<普段から確認しておきたいこと>
- 省電力モードの設定方法
- 画面の明るさや自動ロックの設定
- モバイルバッテリーの準備と定期的な充電
災害時には、必要な情報の確認や連絡を優先しながら、バッテリーの消費を抑えることが大切です。モバイルバッテリーも日頃から充電しておき、いざというときに使える状態にしておきましょう。
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防災士・金野さんのワンポイントアドバイス
災害時は、普段なら簡単にできる操作でも、焦っているとうまくいかないことがあります。防災アプリや自治体の公式アプリ・LINEなどは、普段から定期的に開いて機能に触れたり、通知が届いた際に内容や操作方法を確認したりすることが大切です。また、安否確認サービスなども、体験利用の機会があれば積極的に使ってみて、いざというときに落ち着いて操作できるようにしておきましょう。
6. 災害時の情報の見極め方にも注意する
災害時には、SNSなどで被害状況や支援情報が広く拡散されます。一方で、誤った情報や、災害に便乗した詐欺が広がることもあります。
情報を確認する際は、SNSの投稿だけで判断せず、自治体や公的機関などの公式情報と照らし合わせることが大切です。また、支援金や寄付を求める情報、身に覚えのない連絡などにも注意し、安易にリンクを開いたり、個人情報や金銭を渡したりしないようにしましょう。

まとめ|使えるときに備え、使えないときの対策も
スマートフォンには、災害情報の受信や避難場所の確認、安否確認など、災害時に役立つ機能が備わっています。いざというときに活用できるよう、日頃から次の点を意識しておきましょう。
- 防災情報を受け取る習慣をつける: 自治体の公式アプリやLINEなどを活用し、地域の防災情報や避難情報を確認する
- スマートフォンが使えない場合にも備える: 家族との連絡方法や、連絡が取れないときの集合場所を決めておく
- 情報の真偽を見極める: SNSなどで拡散される災害情報は、自治体や公的機関などの公式情報と照らし合わせ、災害に便乗した詐欺にも注意する
スマートフォンの便利な機能を活用するだけでなく、使えない場合や誤った情報が流れる場合も想定して備えておくことが、災害時の落ち着いた行動につながります。
執筆:Golden Field編集部
監修:金野 利哉(Golden Field株式会社 代表取締役/元救急救命士・防災士)
